このマンガのこのシーン |
マンガというメディアは、文字だけの資料にくらべ、ビジュアル面での効果も大きいことから、生徒の関心を引き、内容を印象づける上で有効な教材たりえます。 特に歴史では、小学館『学習まんが少年少女日本の歴史』を筆頭に非常にクオリティの高いシリーズが多く、授業に活用されている方も多いと思います。 このコーナーでは、私が「これは使える!」と思ったマンガについて、独断と偏見(?)でご紹介していきたいと思います。また、「このシーンが特に!」という場面をいくつか選んで、コメントもつけてみましたので参考にしてください。 |
凡例:
作品 | 作者 | 主な実在の登場人物 | 場面例 | 単行本 | 入手 |
白旗の少女 | 比嘉富子 みやうち沙矢 |
比嘉富子 | 沖縄戦 | 白旗の少女 | ○ |
赤龍王 | 本宮ひろ志 | 項羽、劉邦、虞美人 | 秦末漢初 | 赤龍王(9) | ○ |
女帝の手記 | 里中満智子 | 孝謙、仲麻呂、道鏡 | 新羅遠征計画 | 女帝の手記(4) | ○ |
南京路に花吹雪 | 森川久美 | 王道楽土のお題目 | 南京路に花吹雪(1) | × | |
妖女伝説(砂漠の女王) | 星野之宣 | クレオパトラ、イエス | イエスの教え | 妖女伝説(2) | ○ |
白虹 | 長岡良子 | 長谷川如是関 | 米騒動 | 白虹 | × |
雲竜奔馬 | みなもと太郎 | 坂本龍馬、ペリー、阿部正弘 | 予告されていた黒船来航 | 雲竜奔馬(1) | ○ |
日出処の天子 | 山岸涼子 | 厩戸、馬子、推古 | 遣隋使の派遣 | 日出処の天子(11) | ○ |
虹色のトロツキー | 安彦良和 | 松岡、石原完爾、辻政信 | 松岡洋右の外交策 | 虹色のトロツキー(4) | ○ |
蒼天航路 | 李學仁 王欣太 |
曹操、劉備 | 黄巾の乱 | 蒼天航路(4) | ○ |
民暴の鷹 | 日本弁護士連合会 | 民事介入暴力について | 民暴の鷹 | × | |
栄光なき天才たち | 伊藤智義 森田信吾 |
フォン・ブラウン、ヒトラー | 宇宙開発と政治・軍事 | 栄光なき天才たち(8) | ○ |
検事犬神 | 村上もとか | 逮捕状 | 検事犬神 | ○ | |
猛き黄金の国 | 本宮ひろ志 | 岩崎弥太郎、後藤象二郎 | 廃藩置県 | 猛き黄金の国(3) | ○ |
炮烙の刑 | 村野守美 |
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故事往来伝 | × | |
明治百物語 | 古山寛 ほんまりゅう |
漱石、鴎外、啄木 | 大逆事件 | 漱石事件簿 | × |
風花の賦 | 田辺真由美 | 源頼義、義家 | 前九年の役 | 風花の賦(2) | × |
カード破産 | 若松ひとみ | カード破産 | エイズ・パニック(1) | × | |
あっかんべェ一休 | 坂口尚 | 一休、義満、世阿弥 | 義満の「日本国王」 | あっかんべェ一休(1) | ○ |
いしいひさいちのCNN | いしいひさいち | ブッシュ、クリントン | イラク空爆 | いしいひさいちのCNN | ○ |
月のほのお | 湯口聖子 | 北条時房 | 東国武士 | 月のほのほ | × |
風雲児たち | みなもと太郎 | ぜいたく禁止令 | 風雲児たち(13) | ○ | |
にしむく士 | 大和和紀 | 三行半の実態 | にしむく士(2) | ○ | |
家栽の人 | 毛利甚八 魚戸おさむ |
実名報道の是非 | 家栽の人(3) | ○ | |
夢の奥城 | 長岡良子 | 中大兄、倭姫 | 「大化改新」初期の一連の事件 | 夢の奥城 | ○ |
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タイトルの「赤龍王」は漢を起こした劉邦のこと。これは項羽のものです。故事成語「四面楚歌」の正しい意味はこの状況です。 世界史では秦末漢初の動乱のところかと思います。同じマンガで、鴻門の会や虞美人なども見ることができます。 |
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太平洋戦争末期の沖縄。民間にも多くの犠牲者が出ました。 その中で「白旗の少女」として知られる(当時)7歳の少女の実話をもとに書かれた物語です。 |
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藤原仲麻呂のセリフです。当時、唐は安史の乱で混乱しており、この機に乗じて新羅へ遠征しようという計画が、仲麻呂政権によって計画されていました。また、これには渤海の動きも関係しています。東アジアの「安定」が、「強い中国」によって成立していたことを逆説的によく示す例として有効です。 教科書の執筆にも関係するなど、この業界でも有名になってきた里中満智子氏。日本古代史については、有名な『天上の虹〜持統天皇物語〜』をはじめ何作か書かれていますが、今回はこの作品からご紹介しました。主人公は孝謙女帝です。この時代のマンガは貴重ですし、時代考証もきちんとなされています。授業には使いやすいでしょう。 |
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この作品は、森川久美さんの上海を舞台とした一連の作品(「蘇州夜曲」「南京路に花吹雪」「Shang~hai1945」)の一つです。96年に文庫化され(全3巻)、第1巻には「蘇州夜曲」も収められていますが、「Shang~hai1945」(小学館)は入手がかなり困難です。 時代は昭和の初め。日本の中国進出を背景に、「東洋の魔都」と呼ばれた上海を舞台としたアクション物です。が、抗日運動や国共の対立などの時代背景がきちんと描かれています。簡単には説明できないのですが、とにかく一読をオススメします。この時代と場所が舞台のマンガというだけで価値があります。 |
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ご存じ、イエスの言葉です。マンガでは、角度を少し変えたイエスのアップ3つが3コマ並んでおり、効果的になっています。 『妖女伝説』はシリーズ物ですが、単行本第2巻の大半は「砂漠の女王」が占めています。エジプトの女王クレオパトラが転生によってガリラヤの王女サロメとして生まれ変わり、ヨハネやイエスに関わっていく、という設定です。ですから、話の最初の方にはオクタビアヌスやアントニウスも出てきます。 もちろんフォクションですが、ラストの説得力はなかなかのものです。 |
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米騒動のシーンです。暴徒状態の市民をえがいていますが、飛び交うセリフには必要なものがみな含まれています。また、少し後(108頁)には、「今度の米騒動だって 寺内内閣から政権を奪い取るために 政友会が陰で扇動したらしいってことは公然の秘密だもの」という薫のセリフもあります。 タイトルの「白虹」は、大正7年に起こった筆禍事件「白虹事件」によります。作品中では、主人公たちのドラマと平行してこの事件の流れも追っています。長谷川如是関も登場しています。 |
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黒船来航。その対応に苦慮する中で、アメリカの「卑怯な不意打ち」の非をとがめたいと言う浦賀奉行に対し、申し訳なさそうに、老中首座阿部正弘が言うセリフです。ちょっとした盲点ですね。 確かに、アメリカの「黒船」は外圧・威嚇・威圧であり、鎖国の扉を力でこじ開けたには違いありません。しかし、そのことを重視するあまり、日本側・幕府側の外交音痴、常識の欠落を見落とすことはできません。 すでに前シリーズ「風雲児たち」は紹介しましたが、そのあとを引き継ぐ「雲竜奔馬」(坂本龍馬のこと)もエピソードに溢れています。例えば2巻ではペリーとの交渉(小笠原諸島の帰属問題)、3巻ではロシア船ディアナ号事件、4巻ではハリスの経歴と日米交渉などなど(アメリカ領事館にはためく星条旗の星の数も正確です)。もちろんギャク系なので気軽に読めますよ。 |
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もちろん、厩戸王子(聖徳太子)のセリフです。くわしい説明は続くコマの中で展開されているのですが少々長く、この簡潔な「宣言」の方が映えます(絵も、遠い視線の王子の背景にはイメージとして波高い海が描かれていて効果的です)。 『日出処の天子』は、かつて非常に有名になった作品です。確かに基本的な史実は押さえてあり、また蘇我蝦夷を「毛人」と表記したり、太子の地位を「摂政」とも「皇太子」ともせず「大兄」とするあたり。専門的な知識をふまえて書かれています。 が、人間関係の描写に独特の「世界」があり、また厩戸と毛人に同性愛的関係を持たせる等々、思い切った設定もあって戸惑うのも確かです。また、長編のわりに授業で使えそうな場面が多くないのも残念です。 |
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舞台は1939年(昭和14)1月、満鉄のほこる「あじあ」の中で、日独伊三国軍事同盟について尋ねられた、松岡洋右(当時満鉄総裁、のち外相)のセリフ。彼の外交の基本を的確にまとめています。実際、彼は三国同盟を押し進め、さらにソ連と日ソ中立条約を結ぶことになります。 『紅色のトロツキー』は、旧満州を舞台に日蒙二世の若者(実在の人物をモデルに)の生きざまを描いています。最後がノモンハン事件で終わるのですが、この事件を扱ったマンガであるだけで貴重で、非常に勉強になりました。 また、実在の大物がどんどん登場します。この4巻の冒頭では、松岡と同じ部屋に甘粕正彦、張景恵、岸信介らが同席します。石原完爾、辻政信、川島芳子らは、かなり具体的にストーリーに絡んできます。そういう意味でも、面白いです。 |
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ご存じ「黄巾の乱」の掲げた旗に書かれた文言です。マンガではその旗(当然ですが漢文のまま)に重なるように上の「書き下し文」が入れられています。 人気コミック『蒼天航路』は、曹操を主人公にした作品です。従来の「三国志物」が『三国志演義』をもとに書かれていたのに対して、その影響をできるだけ排そうとされています。その分、新鮮です。多少大げさな描写は多いですが、それもまた中国文化の表現と受け止めて、現在も続くこの作品を楽しんでいます。 ファンが多い割には、授業ではすぐに終わってしまう三国時代。受験との関係でいえば、むしろ黄巾の乱の方が重要かも...。 |
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『民暴の鷹--民事介入暴力と闘う弁護士の記録-』は、日本弁護士連合会が暴力団対策法の制定を機に一般市民に向けて出版したマンガです(いまでも入手可能かどうか不明)。民事介入暴力というと、伊丹十三監督の映画『ミンボーの女』が思い出されますが、それより先行していたと思います。 上のセリフは、第1話ワイングラスのわれた日<仕組まれた追突事故>の中で、主人公村上弁護士が自分自身の確信を語ったものです。 私は基本的人権を学ぶ際、分かりやすい例として刑法や軽犯罪法を導入に使っていました。刑事手続きや憲法の保障する身体の自由が中心ですが、民事介入暴力についてこのマンガを使ってかなり丁寧に授業をした年もありました。 |
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『栄光なき天才たち』は、様々な教材があふれたマンガです。私のように近代史に弱い者にとってはこの本で知った知識も多く、近代はマンガが乏しいこともあって重宝しています。北里柴三郎、鈴木商店、満鉄など、授業に活用しました。 コミックス8巻は、「宇宙を夢見た男たち」というシリーズです。ロケット理論の誕生からアポロまで、その技術の進歩と歴史が分かりやすくまとめられています。社会科的に見るならば、宇宙開発がいかに政治と軍事と密接に結びついたものか、でしょう。 上のセリフは、ドイツ陸軍の将校がロケット開発中の科学者(フォン・ブラウン)に語りかえる場面です。この話はドイツのミサイル開発へ、そして戦後の米ソの宇宙開発競争へとつながっていきます。 |
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『検事犬神』は、検事を主人公とした作品(単行本1冊)。いわゆる刑事物に近い面はあるが、検事の立場ということで法律用語などが出てくるので便利です。 上のセリフは、それだけを見ると何の変哲もないのですが、マンガでは主人公の犬神検事が手に逮捕状を持ち、逮捕しようとしている相手に示しているカットになっています。私の手元に、逮捕状を見せている場面ののっているマンガはこれしかないので、いつもこれを使わせてもらっています。 |
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『猛き黄金の国』は、三菱の創始者、岩崎弥太郎の半生を描いた作品です(現在は斎藤道三を主人公にした新シリーズが出ています)。 上のセリフは、廃藩置県がスムーズに進んだ一つの要因である諸藩の財政難について、後藤象二郎と板垣退助が語っている場面です。 また、このシリーズでは明治初期の海運について詳しく書かれており、従来よく分かっていなかった分野なのでかなりイメージが結べました。 |
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『故事往来伝』は、「登竜門」など9つの故事成語をマンガで表現した短編集です。ただし故事そのままではなく、様々なバリエーションで話がふくらんでおり、読み物としてはなかなか面白いものです。 上のセリフは、ご存じ殷末の悪女妲己をめぐっての説明です。この章(「炮烙の刑」)は比較的故事どおりで、教材としては使いやすいです。「酒池肉林」の場面があればもっと良かったのですが....。 |
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『漱石事件簿』は、明治時代を舞台とする短編集です。いずれも力作ですが、特に南方熊楠についてこれほど詳しいマンガ(第一綴「黄色い探偵」)は私にとって初めてで、とても勉強になりました。 上のセリフは、いわゆる「大逆事件」についての説明です(第四綴「明治百物語」)。当時の時代の雰囲気、知識人たちの意識がよく伝わってきます。この事件を描いたマンガは少なく、また受刑者たちの絵があるのも貴重です。 |
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『風花の賦』は、前九年の役をあつかっています。もうそれだけで貴重です。大河ドラマ「炎立つ」が始まるまでは、この時代の私の知識はこの作品によっていました。 セリフは、安倍氏の抵抗に苦戦を続ける源氏側にあって、源義家が父頼義に向けたものです。前九年の役が清原氏の参戦によって大勢が決したこと、その結果が後三年の役につながっていくことは押さえておきたいポイントですから、このセリフはそのものズバリを表現しています。 |
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『エイズ・パニック』は、「ヤングラブ問題提起シリーズ1」という副題のついたコミックスで、5本の短編集です。上記の作品は「カード破産」がテーマですが、他には「エイズ」「国際結婚」などがあり、いずれもよくまとまっています。 上のセリフは、カードによる多重債務で自殺寸前まで追い込まれた主人公に、弁護士が自己破産の仕組みを説明している箇所の一部です。 政治経済ではこれまでも何回かカード社会を取り上げてきました。生徒の消費者教育としてだけでなく、資本主義経済の仕組みを理解する上でも重要な内容だと思います。 |
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『あっかんべェ一休』はやはり名作です。長編ですが、いっきに読んでしまう魅力があります。ただし、禅はやはり難しい(笑)。 作品の主題は無論、一休の生涯を追うことですが、時代背景として描かれている室町時代の世相が非常に貴重です。この時代を扱ったマンガが非常に希だからですが、主題とは直接関係ない場面であっても、坂口氏の描写は簡潔でわかりやすく、大変使いやすいと思います。 上記の場面は、足利義満が明との国交の意義を世阿弥に語っている場面です。こういう視点が重要なのは言うまでもありません。 |
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いしいひさいち氏は、政治風刺ネタで大笑いさせてくれる貴重な漫画家です。このセリフは、ブッシュからクリントンに大統領が交代した時の「アドバイス」ですが、内政に窮したら他国と緊張関係を作って不満をそらす、という鉄則を見事に表しています。 しかも、クリントンは自己のスキャンダルが問題になると本当にイラクを空爆しましたから、まさにマンガのような現実でした。 ついでに言うと、クリントンの任期も幾ばくかという現在、いまだにイラク大統領がサダム=フセインであることも、特筆すべきでしょうか。 |
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湯口聖子氏の夢語りシリーズは、北条時房(渋い!)をはじめとする鎌倉武士たちを主人公に、鎌倉時代を広くカバーしています。非常に少女マンガチックではありますが、初期の御家人の内紛なども扱われていてなかなか役立ちます。 このセリフは、鎌倉に身柄を移された平重衡に、鎌倉武士の一人が心情を訴えたものです。防人も含めた東国の特異性、名前だけで終わってしまいがちな京都大番役の苦しみも込められています。 |
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この『風雲児たち』も名作。ぜひおすすめしたい作品です。基本的にはギャグ系なのですが作者氏は非常に詳しく調べておられ、笑いながら勉強になります。関ヶ原から天保まで江戸時代のポイントを押さえていますが、特に田沼時代と大黒屋光太夫の辺りは絶品で、山本周五郎や井上靖より面白いです(笑)。 いいセリフはたくさんありますが、今回は寛政改革のぜいたく禁止令についての解説をご紹介してみました。説明の必要はありますまい。 |
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この『にしむく士(さむらい)』は、江戸の御家人(御徒組)の若夫婦を主人公にしたコミカルですが、とてもよくまとまっていて感心してしまいます。江戸の「庶民」の実情などが生き生きと描かれ、さすが大和和紀という感じです。 このセリフは町人の娘が主人公の若奥さんに離婚の実情を説明している場面。江戸時代は確かに男尊女卑で、夫からの「三行半」によって一方的に離婚させられ、女にはその自由はなかったのですが、このセリフのように結婚の時にあらかじめ「三行半」を書かせて妻が預かるケースも多く、実際には女性の側もかなりの「実力」を持っていたようです。 江戸時代の社会制度の授業に使えたら、と思っています。 |
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一時非常に有名になった『家栽の人』。こんな裁判官はホントにいるのでしょうか? 少年の凶悪犯罪について、少年の実名を報道すべきと考える記者に対して、主人公の桑田判事が(珍しく)強く言い放つ言葉です。 私は、基本的人権を学ぶ時には、「犯罪と人権」について必ず多くの時間を割きます。最近は「被害者の人権」が大きくクローズアプされています。それ自身は重要なことですが、そのことと「被疑者の人権」とは全然別の問題であるにも関わらず、ごちゃごちゃに論じれれています。 また、盗聴法(とあえて言います)が成立し、少年法改正を求める声が大きくなってきています。一方で、冤罪事件も後を絶ちません。 松本サリン事件の河野さんの「冤罪」も絡めて、授業をしています。 |
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この作品は天智皇后となった倭姫を主人公とする佳作で、このセリフは石川麻呂事件を知った倭姫の独白です。異母兄とは古人大兄皇子(倭姫の父)、義父とは右大臣蘇我倉山田石川麻呂(中大兄の妻の父)を指します。 いわゆる「大化改新」の初期の一連の事件=粛正をどう捉えるかなのですが、中大兄が抹殺していった人物が、みな彼の血縁であることを私に気づかせてくれたセリフなのです。 この後、孝徳天皇を排除して憤死させ、ついで有間皇子を抹殺するわけですが、孝徳は中大兄の叔父、有間は従兄弟です。兄→義父→叔父→従兄弟と、血縁の近い順に抹殺しているわけで、これは偶然ではないように思います。 思えば、蘇我入鹿による山背大兄王滅亡でも、この二人は従兄弟であり、山背は蘇我と血縁上非常に近い人物でもありました。 権力の集中のため、まずはより身近なライバルから抹殺しなければならない、そういう陰惨な時代の姿が感じ取れます。 |