世界史の授業と国旗1 連合王国イギリスとアイルランド
- イギリス=グレートブリテン島および北アイルランド連合王国(略称:U.K.=United
Kingdom)は、イングランド・スコットランド・ウェールズ・北アイルランドの連合王国であり、それは国旗に反映している。
- 最も強大だったのはイングランドで、最初にウェールズが併合された(正式には1536年)。ウェールズの国旗である「レッドドラゴン」は、最初から現在まで連合王国の国旗のデザインには入れてもらえていない(5カ国ラグビーの時などは、レッドドラゴンがはためき国歌が流れる)。ただし、一方で皇太子のことを「プリンス・オブ・ウェルズ」と読んだり、公用語としてウェールズ語が標識などにも使われるなど、一定尊重されている。
- ついでスコットランドとイングランドが連合する。両国は国境紛争をくり返してきたが、1603年に有名なエリザベス1世が(なにせ国家と結婚しているわけで..)子のないまま没すると、スコットランド王ジェームズ6世が王に迎えられる。王は両国の一体化を進めようと構想し、両国の国旗を組み合わせた国旗のデザインを命じる。1606年に制定されたのがグレイトユニオン旗だが、どちらの国にも不評だった。(両国は1707年に正式に合同するが、現在でも独自紙幣を発行するなど独自性がある程度認められている。)
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イングランド旗 |
スコットランド旗 |
グレートユニオン旗 |
- 宗教改革が始まる中、1534年に国王はローマ教皇と対立してカトリックから離脱、イングランド国教会が成立するが、この頃からプロテスタントのアイルランドへの移民が急増し、カトリックが主だったアイルランド人との対立が生じる。
- 17世紀にはアイルランドでカトリックの反乱と報復戦争があり、アイルランドは植民地化してしまう。1800年には合同条約が成立し、アイルランドの国旗を加えたユニオンジャックが誕生するのが1801年である。ただ、アイルランドの赤い斜め十字は極端に細く、アイルランドの立場を象徴する。
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アイルランド旗 |
グレートユニオン旗 |
ユニオンジャック |
- その後もカトリックへの迫害や独立運動は続く。政府は自治を与えようともするが、移民の多い北部が強く反対。1921年に南北に分裂し、南部は1949年にアイルランド共和国として完全独立する。(北アイルランドでは、その後もIRAなど紛争が続く。)
- アイルランド共和国の国旗は、白を挟んで左緑・右オレンジの縦3色旗。一説には、緑がカトリック、オレンジがプロテスタント、白が平和を意味するという。
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