世界史の授業と国旗2 イギリス連邦いろいろ

  1. オーストラリア・ニュージーランド・ツバル・フィジーの国旗には、カントン(左上1/4)部分にユニオンジャックが入っている。この4国は。いずれもオセアニアにあり、またイギリス連邦に属している。
  2. イギリス連邦は、もとイギリスの植民地だった国々などによって構成されているゆるやかな連合で、2年ごとに連邦首脳会議も開かれ、相互支援・共同活動などを行っている。現在54カ国が加盟しており、全世界の4分の1をしめる(↓頁末に加盟国一覧)が、連邦の構成国の状況はさまざまで、オーストラリアやカナダなど16国は今でもイギリス国王を国家元首としているが、他方で国旗にユニオンジャックを入れていない国の方が多い。
  3. そのカナダは、最初の植民地がフランスによって作られた。おくれてイギリスがカナダへ進出し、両国は衝突してフレンチ・アンド・インディアン戦争(1754〜1763)が起こったが、イギリスが勝利して、カナダはイギリス領となった。
  4. 現在でも、カナダ国民の約30%はフランス系であり、ケベック州ではフランス系住民による分離独立運動も起こっている。カナダ国旗は、1965年まではカントンにユニオンジャックのあるデザインだったが、フランス系住民の要求もあって現在の国旗に変わった。
  5. ツバルは、1995年に一度国旗を変更し、ユニオンジャックのないデザインに変えた。この国は国民の大半が海抜1m以下の浜辺に住んでおり、地球温暖化による海面上昇で水没する危険があるにもかかわらず、連邦の盟主国イギリスが対策に積極的でないことに抗議する意味があったと言われている。が、結局1997年に、国旗を元に戻している。
  6. オーストラリアの場合も、共和制への移行を望む声が近年増えてきている。当然、国旗の変更案も出たが、1999年の国民投票で現状維持が過半数となったので、現在は凍結状態。


補足資料 イギリス連邦加盟国

英国、アンティーグァ・バーブーダ、オーストラリア、バハマ、バルバドス、ベリーズ、カナダ、グレナダ、ジャマイカ、ニュージーランド、パプアニューギニア、セントキッツ・ネビス、セントルシア、セントビンセント・グレナディーン、ソロモン諸島、ツバル。(以上はイギリス女王が元首)
バングラデシュ、ボツワナ、カメルーン、キプロス、ドミニカ、フィジー、ガンビア、ガーナ、ガイアナ、インド、ケニア、キリバス、マラウイ、モルディブ、マルタ、モーリシャス、モザンビーク、ナミビア、ナウル、ナイジェリア、パキスタン、セーシェル、シエラレオネ、シンガポール、南アフリカ、スリランカ、タンザニア、トリニダードトバゴ、ウガンダ、バヌアツ、ザンビア、ジンバブエ。 (以上は共和政)
ブルネイ、レソト、マレーシア、スワジランド、トンガ、サモア。(以上は独自の君主)
 


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