世界史の授業と国旗8 星条旗とアメリカ合衆国

  1. アメリカ合衆国の国旗で、13本の赤白の帯独立時の州の数、50の星現在の州の数を表わす。 アメリカ国旗は、州が増えるのに合わせて星も帯も増えていき、これまで合計26回変更された。ただし、3回目の改正から帯は13本に戻され、固定されている
  2. 北アメリカのイギリス植民地は最初の13州は、イギリス国教会の成立などで本国をのがれた清教徒などの移民から始まった。1763年、植民地をめぐる戦争でイギリスが勝利し、カナダなどフランス領も獲得すると、その維持費用のために植民地の負担が増え、植民地に反発が生じた。1775年に独立戦争開始、総司令官はワシントン。1776年には独立宣言が発表され、人間の平等が主張されているが、先住インディアンや黒人奴隷は対象となっていないかのようである。
    戦争は長期化、フランス・スペインが独立を支持して参戦。ようやくため、1783年にアメリカ合衆国は独立を達成、ワシントンは初代大統領となった。
  3. 合衆国は、19世紀にさまざまな手段で領土を西へ拡大していく。例えば1846〜48年の米墨戦争に勝利してカリフォルニアやニューメキシコを獲得
    したが、1848〜49年にここから金鉱が発見され、いわゆる「ゴールドラッシュ」が始まった。州の数は増え、国旗の星も増えていった。
  4. 西部開拓は、先住民の追放・殺戮の歴史でもあった。先住民たちは、指定された居留地へ押し込まれ、さらにそこも追われる。1830年にはインディアン強制移住法が制定され、先住民はオクラホマ州へ集中っせられる。現在のオクラホマ州の州旗のデザインはそれを反映している。1800年に100万人いた先住民は、1880年代末には25万人に激減した。
  5. 合衆国では南北の対立は生じた。(1)黒人奴隷の拡大に賛成<南>か反対<北>か、(2)イギリスとの貿易とそのための綿花農業を重視する<南>か、アメリカ国内の工業発展を重視する<北>か、などが対立点である。1860年に.北部を基盤とする共和党リンカンが大統領になると、1861に南部11州はアメリカ連合国を結成して合衆国から離脱、南北戦争が始まる。1863年にリンカンは奴隷解放宣言を行って国際世論を味方につけ、1865年.北軍の勝利で終わった。
  6. この時の南軍の旗「サザンクロス」と呼ばれ、現在でも南部ではよく目にする。また、南部諸州の州旗には、このデザインを取り入れているものが多い。が、逆に人種差別の象徴のように見られている面もあり、近年デザインを改めた州もある。

 


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