世界史の授業と国旗12 国家体制と国旗の変化

  1. 国家体制が変わると、多くの場合国旗が変わる。
  2. 社会主義体制は、私有財産を認めない経済体制だった。社会主義国の国旗は、色では赤、デザインでは星や農工具などが好まれたが、自由競争を認めない計画経済は失敗に終わった。
  3. ソ連は1991年に解体し、構成していたロシア連邦など15共和国に分裂した。中華人民共和国ベトナムは、経済は大幅に自由化されたが、国家体制は変わっていないため、国旗は変わっていない。北朝鮮キューバは、経済制度も変わっていない。
  4. 東ヨーロッパでは、1945〜49年頃にソ連の圧力で次々と社会主義化が進んだが、ソ連の弱体化と崩壊にともない、1989〜92年頃に次々と自由経済へ移行した。
  5. 例えば、アルバニアの国旗には1946〜1992年の社会主義時代には星があり、それ以前の王国時代は星の位置に王冠があった。現在は何もないユーゴスラビア国旗も、1946〜1992年の社会主義時代には星が、それ以前は王家の紋章があり、現在は何もない。ブルガリア国旗は、1947〜1991年の社会主義時代のみ紋章があった。
  6. 敗戦によって国家体制が変化する場合もある。イタリア国旗は、第二次大戦で敗戦して王国から共和国に変わったことにともない、3色旗の中央にあった紋章がなくなった。ドイツ国旗は、第一次大戦までは赤・白・黒の横3色旗だったが、1918年の第一次大戦敗戦で赤・黒・黄の横3色旗に変わった。が、1933年にナチが政権をにぎると"ハーケンクロイツ"に変わり、1945年の第二次大戦敗戦で、赤・黒・黄の横3色旗に戻った。

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