今回は、「石器作り」のご紹介です。これは、実際に授業で実習させました。
かなりメジャーな実践なので、経験された方もおられるかも知れません。それもふまえ、どのように作業させたかをやや詳しいめにご紹介します。
|
石器の材料には、黒曜石ではなくサヌカイトを選びました。理由は、関西ではサヌカイトの方が(当時)普通だったことと、入手の関係と、安全性です。
上の写真でもお分かりかと思いますが、黒曜石の方がずっと鋭利に割れます。その輝き具合は、ほとんどガラスです。これは少し危ないと思い、サヌカイトにしました。
(逆に言うと、サヌカイトの方が割れやすく、切れ味も落ちるのですが。)
入手ですが、サヌカイトは大阪府太子町の竹内街道歴史資料館でお土産として売っていました(今もあるかは不明です)。
黒曜石の方は、例えば橿原考古学研究所の博物館などのミュージアムショップに普通に売っています。
|
作業は1時間の授業を丸々使いました。4人程度のグループに分け、各班に用意のサヌカイトを2〜3個ずつ配ります。大きめの机が必要なので、場所は図書室を借りました。机を傷つけないようにシートを敷きましたが。
ハンマーは、本当は鹿角が一番いいのですが、高価ゆえに(奈良の土産店で安いものでも3000円)1本しかないので順番待ち。その間は、大きめの石を使ってやらせました。
|
|
石槍や石鏃のような本格的なものはとても無理です。特に生徒は、遠慮したりむやみやたらだったりで、剥離させることも難しいようです。ある方向に叩けば比較的簡単に割れるのですが…。
それでも、取れた剥片を使えば紙くらいなら簡単に切れることが分かります。
簡単にできるよりなかなかできない方が、古代人の苦労が伝わるかもしれません。
なお、あとで他の先生と試しましたが、金属のハンマーなら簡単に割れるかというとそうでもないこと、むしろ石を万力でしっかり固定すると割りやすいということが分かりました。
可能なら、黒曜石と比べたり、より整形の進んだ「石器」にしたり、角を加工して骨角器が作ったりしてみたいものです。