紙幣を使った社会科の授業にも色々な方法があると思います。
今回はまず、紙幣の経済史的な意味あいはではなく、そこに使われている絵(肖像など)を使うパターンをご紹介します。
いまの高校生は生まれた時から夏目や福沢ですが(これらの肖像ももちろん教材になりますが)、我々以上の世代の人には懐かしいこれらの肖像は、明治の政治史の主役級の人物たちです。できれば本物を教室に持ち込んで見せてあげたいです。
ついでに、彼ら「大物」の若い頃の写真もプリントして、組み合わせクイズにして「遊んだ」ことがあります。通史などには写真が豊富にあるので使いたいものです。
参考までに、板垣の若い頃の写真は、小学館『日本の歴史』24巻の136頁、伊藤のは同書19頁にあります。岩倉のは、例の姿勢の悪い正装のものをあちこちで見かけます。また、小学館『大系日本の歴史』12巻227頁には、福沢の比較的若い頃の写真があります。
えらい男前ですが、10円札に描かれている彼は、和気清麻呂ということになっています(当時の肖像なんてないけど)。彼の肖像があえて選ばれたのは、道鏡?の野望から「万世一系」の皇統を守った、ということなのでしょう。奈良時代の政争史の時にみせてあげます。
なおこの紙幣は、もう一度、明治の兌換制度の時も使います。2回使えるありがたい教材です。
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お分かりと思いますが、この500ウォン紙幣の裏の図案に使われているのは、あの亀甲船です。
秀吉の朝鮮侵略の際、劣勢だった朝鮮側の反撃の切り札となった軍船です。海軍を指揮した李舜臣の名前とともに、教科書や図表ではすっかりお馴染みとなりました。
これがお札の図案に使われていることから、この侵略に対する韓国の人々の思いを話してあげています。
板垣百円札と清麻呂十円札は、ともにコインショップで買いました。数百円レベルです。次回説明しますが、清麻呂十円札には3つのバリエーションがあります。
韓国500ウォン札は、むかし(小学生くらい?)韓国に旅行された方からお土産にいただいたものを、いまだに大事に持っています。まさか教材にするとは思いませんでしたが....。 残念ながら、現在は通用してない紙幣です。
伊藤千円札と岩倉五百円札は、硬貨や新紙幣が出てまもなくに、先を見越してキープしたものです。あるいはコインショップにあるかな?