ところが、この「番号つき銀行」について調べてみて、意外なことに気づきました。
私はこれまで授業で、「番号のついた銀行はみんな旧国立銀行だよ」とテキトーな説明をしてきたのですが、実は必ずしもそうとは言えないのです。
『会社四季報』掲載の「番号つきの銀行」は、次の9つです。
ハ
第一勧業銀行 第三銀行 第四銀行 十六銀行 十八銀行
七十七銀行 八十二銀行 百五銀行 百十四銀行
このうち、問題があるのは第三銀行と八十二銀行です。
『日本貨幣カタログ1999年版』の資料によれば、
のです。現在の第三銀行と八十二銀行は、同じ番号の旧国立銀行とは別の銀行のようです。
そこで、この2つの銀行のホームページでそれぞれの歴史を調べてみたところ、
ということがわかりました。後者については、19+63=82(笑)ということではないかと思われます。それしか考えられません。
いずれにせよ、この2つの銀行を単純に「旧国立銀行」とは呼べないわけです。
【入手】
こうした話をする導入にしたくて、銀行のパンフや封筒などを集めることにしました。
これら「番号つき銀行」は第一勧銀をのぞくと地方の銀行です。それぞれの本拠地(例えば第四銀行なら新潟)では有名・身近でしょうが、大阪では生徒はほとんど知りません。
ただ、逆に大阪は東京につぐ大商業都市です。調べてみると、これらの銀行はすべて大阪支店を持っていました。ですから、比較的簡単に、資料を集められます。
大阪の方はよくご存知のように、主だった銀行は御堂筋に集まっています。今回、淀屋橋から難波までにある6つを回ってみました(右図)。
地図ではちょっと分かりにくいのが77、18、105でしょうか。七十七銀行は平野町5丁目で、道修町のバス停の近くです。十八銀行は八幡町にあるビルの2階。百五銀行は地下からの出口(25番)を上がってすぐです。
面白かったのは、十六銀行がトムとジェリー、十八銀行があらいぐまラスカル、百五銀行がバーバ・パパという結構メジャーなキャラを使っていたことです。また、十六銀行に岐阜の観光ガイドなどがたくさんあったのも、地域との密着した関係がうかがえます。
ところで、地図中の★は第四銀行があったところです。というのは、ごくごく最近に移転してしまっていたのですが、それを知らずに探し回ったんです(涙)。最新の電話帳でも地図でもここになっていますから、移転は今年(1999)のことです。
『四季報』で見たところ、第四銀行大阪支店は中央区安土町1丁目で、堺筋本町よりさらに東になります。ちょっと遠いので、今回はパスしました。
第三銀行は南船場二丁目(長堀橋駅近く)とこれも離れていますので、後日行ってみるつもりです。また、第一勧銀も再編で名前が変わるかもしれないし、仲間外れはかわいそうですよね。これらの画像が集まりしだい、後編を制作します。
その折には、153もの国立銀行がどんどん再編されていく理由とか、昭和の金融恐慌との関連なんかも調べてみます。